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2007年3月26日

概念試作(1)

まず、こちらをご覧頂きたい。

Fig1.0
Fig1.0 構造概念検証モデル


当方と長くおつき合い頂いている方には、
もしかすると、もう見飽きたものかも知れないが、
今回もここから始めたいと思う。


Fig1.1
Fig1.1構造概念検証モデル(斜視)


(fig1.1~1.3)は「SD戦国伝」のキャラクターの体型をイメージして
組み上げた、構造概念検証モデルである。
素材として、(株)ギミック&スティール社のBJPMを使用している。

このBJPMは複数社より販売される同種のビルディング素材用汎用ジョイントに
比して、格段に高い精度を以て成型されており、
保持力と動作のスムース性に優れ、経年変化も少なく、
材質(ABS樹脂)の加工性も非常に良好である。
ただし、価格面において、同種のそれらの倍以上である、
という点は付記しなければならないだろう。
普及に伴う低コスト化に期待したい。


Fig1.2
Fig1.2構造概念検証モデル(正面)


プロポーションに関しては、
有りもののパーツで組み上げられる範囲での再現度であり、
一般的にSDガンダムのイメージとして知られる
2.3~2.5頭身のバランスとは少々異なる。
動作自体の考察を優先したためであり、
現在、製作中のデザイン検証モデルでは、ある程度改善される予定である。


ここであらかじめ付記しておきたいが、
今回は、前述(概要)の通り、模型的見地、
すなわち、模型化、劇中のイメージで自在に動く”人形”の作成を最優先目標としている。

体構造に関する考証は、模型としてのデザインの方向性を決定付けるために
若干行っているのみである。

たとえば、ボールジョイント(注1/以下BJ)で構築されている関節は、
本来ならば、劇中における実物の駆動機構を考察した上で、
そこから形状を考えなければならないが、今回は、その行程はほとんど省いている。
ただし、非常にあいまいではあるが、何らかの駆動機構が収まり得る空間は
確保する、という程度は心がけている。


Fig1.3
Fig1.3構造概念検証モデル(背面)


目を引くと思われるのは、
腕部を除くほぼ全身の骨格が、前後二重に存在することだろう。
これは、前後に厚みを持つ”SD体型”に説得力を持たせつつ、
重心の移動をこなせるだけの可動範囲を併せ持たせるべく選択した形態である。

人間でいうところの”骨格”に相当する構造体だが、
基本的にこれのみで稼働するものと考え、筋肉に相当するものは無い。

シルエットとして、真正面から見た際の頸部、腰部の大きなくびれは、
デザインに盛り込んでしまうか、逆にデザイン上で補正するか、
現状ではまだ結論が出されていない課題である。

次回は機能面について、順次ご覧頂きたい。


注1:工業製品分野において、”ボールジョイント”とは、
模型分野のものと用途も形状も異なるものだが、当記事ではこの呼称で統一する。

2007年3月20日

模型的見地による関節構造考証

今回は、作業効率の点から、『著者近況』にて用いている、
ブログのシステムを用いて記事を作成する。
ブログの本来の使途からは離れるが、
自動的にレイアウト生成、過去ログ作成を行ってくれる点、
また、画像のサムネイル化、ソースの自動作成など、、
短期間での記事作成、更新において大きな利便性をもたらしてくれている。

今回は、取り急ぎ、立ち上げのご報告までに。
背景や文字などのデザインは、暫定的にシステム標準のものを用いているが、
折を見て、親サイトのデザインを踏襲したものに変更したいところである。


以下に、掲示板『多耳聞』にて投稿した
本考察の方針に関する文を転載したので、ご参照願いたい。

以後、考証の進展次第で更新を行う。
更新頻度の減少の際にも、毎月14日を目処に定時更新を行う予定。


戦国伝キャラクターの体型、
(ある意味不本意ながら俗称であるためこう呼ぶが)SD体型の動作を
考証し、模式化・模型化という方向で示す。

歴史公証や設定考証がメインであった当サイトに御来訪の皆様においては、
正直な所、あまり関心を持たれていない方面かもしれませんが、
”今から戦国伝を知ることが出来る”有効な資料が出揃った以上、
歴史考察を行う方が増えるであろう事は(多分に希望的ながら)予測でき、
対して、SD体型に関する構造的な考証の進歩については、
『BB戦士』シリーズとして継続的に商品が開発されていながら、
残念ながら、ここ20年で僅かなもの、と言わざるを得ない状態です。

それでも、一部の先進的なプランをお持ちの方が、
色々と有効な案を示されておりますが、
私がここで、あえて『誰も手を付けていない』と称したのは、
私の目論むそれが、今まで行ってきた歴史考証とは一線を画す、

”必要ならば従来設定は全否定する”

という方向で行われるからです。


さて、とりあえず、ここでは”所信表明”としてまでに。
どうも、近年の私のモチベーションは、
放っておくと何年でも寝たままで過ごす、というレベルにまで落ち込んでいるので、
恐らく、有効な物が完成したら発表、とか言っていると、
太陽が赤色矮星になる頃にまだ概念設計をいじっている、という事になるでしょう。

というわけで、息巻いた年寄りの恥さらし、になりかねないと分かりつつ、
今後、最低月1でサイトに進捗報告を掲載する事を告知いたします。


目標は、
・横井SD体型又は今石SD体型を違和感なく再現
・体型に対して矛盾を感じさせない可動
・模型化を容易に可能とするモデル化

生物学的(?)見地の考察はあまり、もしくはほとんど主眼に置かれない、
とあらかじめ申し上げておきます。
BB戦士や、(ビンテージ化が著しいが)元祖SDの可動骨格として、
手軽に使っていただけるようなレベルになればベスト。

しかし、大きな矛盾に関しては、いっそ設定のほうを曲げる。

最終的には、SD体型デザインのスタンダードに食い込む、
くらい高い志は持っておきたい。