SLASHER
――闇を往く異形の刃――
やぁっと手に入れましたよ、ビースト系集めの難関、
BEAST MACHINES
NIGHT SLASH CHEETOR!
入手先は、毎度お世話になります、レドマさん!
いまどきマシーンズ新品ぞろぞろ置いてるショップってスゲエ。
っていうか、ここ数ヶ月、ずっと秋葉近辺のアメトイショップに在庫していたあたり、
そろそろ欲しい人間に行き渡りきった、ということなのか。
おかげで、金銭的にはっちゃける(邪笑)決意が出来るまで生き残っていてくれた・・・。
地震直後の秋葉行きにて購入。
しかしビースト系って考えてみりゃ、
超難関と売り場の守護神にきれいに2分されてますねぇ(暴言)。
では改めて。
『NIGHT SLASH CHEETOR』、面倒なので、以下『ナイトスラッシュチーター』。
ば、化け物だああああ!
いやぁ、見事なビーストマシーンズ味です。
ムチャクチャカッコいいぜ!
↑
こういう人間にしかお勧めできない、ということはオチにせずに先に言っておいたり。
異様なほどの長頭身、というか足が長い。
ナイトスラッシュ、の名の通り、全身を夜戦迷彩を思わせる濃紺で包み込みつつ、
チーター模様をほうふつとさせるマーキングが肩やモモにポイントで入っている。
ダークカラーにオレンジのクリアパーツのコントラストに包まれた、異形のプロポーション。
異文明メカニズムな雰囲気がたまらない。
ボディ前面をほぼ覆うクリア装甲は、分厚い胸板に細いけど割れてる腹筋、と、
スリムマッチョを具象化したかのような逞しい造形に、裏側からびっしりとメカモールド。
内部の機構部(後述)が透けて光っていて、文字通り奥行きのある外観。
そして、そのお顔は・・・!
「ニヤリ」
ば、化け物だあああああ!
何とも目に焼きついて離れない笑顔、にしか見えないフェイスが何しろインパクト大。
その形状も前後に長い、まるで競輪ヘルメットのような形状、
ここにも例に漏れずふんだんに使用されたクリアパーツ、
黒い下地にメタリックグリーンの頬周りのカラーリング、と、
特徴に事欠かない異形ながら、絶妙の域でカッコいい。
よく見ると、ムービーTFみたいに瞳がモールドされている。
マシーンズのストーリーは残念ながらよく知らないけど、
この顔つきといい、あのビーストのチーターと同一人物なのかな?
そして、ギミック!
"ナイト"の呼称は、夜戦仕様のボディカラー、では、"スラッシュ"とは・・・、
肩側面のスイッチを押し込むと、
両肩にマウントされたソードが、金属ばねで飛び出し、手に!
夜に跳梁せし、切り裂きしもの!
このギミックが何しろカッコいいのですよ!
ヒジと同軸のアームの先端にソードが付いている、と、言ってみればそれだけながら、
スパっと射出され、パシっ、と手に収まるアクションが実に気持ちいい。
もいっちょギミック!
背面の中央には、クリアパーツのカバーに覆われたスパーククリスタル。
とことん透明パーツで演出してくるのが面白い。
インシグニアは、マクシマルズ。
ビーストウォーズのころには飛行能力を持っていたチーター、
スパーククリスタルの下にはジェットノズルのようなユニットが搭載されている。
ノズルは上下に可動。
このクリスタル、トリガーになっていて、押し込むと・・・、
胸部装甲内部の!・・・・・・ええと、何だこれ。
何かメカがガチャガチャ回転!
この"何かメカ"、椀状のリフレクターと、中心のスピンドルから構成されており、
スピンドルには縦縞模様のように赤いペイントが施され、
ガチャガチャ回すと、リフレクターに写り込んだ旭日旗の如く赤いストライプが
ギョロギョロ回る!
・・・ええと、何だこれ?
何というか、鼓動する心臓の如きリアクター、みたいな感じなのかな。
そして・・・、そして・・・、
( ↓ GIFアニメ。見えない環境の方、申し訳ない。)
ば、化け(略)
ええ、いや、ホントにこうなる。
背面のスパーククリスタルを押し込むと、
腕が連動して交互にガッチャガチャ振られる!切り裂きアクション!
何というか、ブンドドするにはとっても楽しいギミック。
敵をシュレッダーみたいに切り刻む脳内妄想しつつ、
「うわおわーお!おいっちに!」
とぶん回しまくると、なんかテンション上がる、かもしれない。
アアァァァクション!
・・・したいところだけど。
こいつ、肩もヒジも前後への回転しかしません。
ソードの展開のために、ヒジは横ロール無し、
おいっちに!ギミックのためか、肩は前後回転しか無し・・・。
手首はよく動くが、ソードを持たせると事実上固定。
腕周りがこれだけ動かないTFは久しぶりだ・・・。
一方、足回りは、その特徴的な獣的多関節と、長いストロークを活かしてグイグイ動く!
・・・・・・ってわけでもないのですよね(苦笑)。
股関節はよく広がり、足首も深く曲がるが、
二つもあるヒザ関節のうち、人間のヒザの位置にある下の関節が、
ほとんど逆関節方向にしか曲がらない。
結果的に、踏み込んだポーズには出来ないのですね、これが。
で、結局四足的なポーズが良く決まる。
首の関節が、かなり真上のほうまで動き、まるで四足にしてくれと言わんばかり。
実際、この状態は実にカッコ良く決まる!
では、トランスフォーム!
完了!
・・・、
変わってないぞ。
いや、ええ、では、もう一度。
トランスフォーム!
胸部装甲、そして背面を開き、頭部をぐるりと回転。
面白いのは、前述の胸部リアクターのギミックを避けるために、
頭部の回転が軸ではなく、ガイドレールによって行われていること。
なんか妙なところ凝ってるのがこの時代のTFの美学なのか。
そして、スネを縮めて、カカトを収納し・・・、
完了!
いや、変わって無いよ。
頭部の入れ替えギミックは凝っているが、それ以外はポーズくらいしか変わってない、
そのポーズもロボ時からして四足なんで、実に顔以外全然変わってない。
ただ、クリア素材のインパクト十分の胸部装甲が隠れ、
濃紺の背面装甲が目立つようになったので、そういう点では見た目変わったかも。
その頭部。
あのロボ頭部を見た後だと、実に正統派に感じるチーター顔。
ここにもクリアパーツはふんだんに使用。
頭頂に採光窓を備える集光クリアの目に、首筋あたりは全てクリア成型という大胆な采配。
実はロボットモードでも、だったけど、ビーストモードのほうがクリアが目立つ。
で、ギミック・・・?
頭部を左右に傾けると、首側のセンター部分の突起に乗り上げる形で、
上アゴ側がカクカクとアクション。
ただ、上あご、と言いつつ、歯は上も下も下アゴ側と一緒のパーツなので、
口の開閉ではなく、歯茎をむき出しにして威嚇するような表情。
正直、地味(苦笑)。
そして、これゆえにビースト頭部は正面向きに固定できない。
アクション!
・・・させても、正味ロボットモードと変わらん。
前足の親指は、平手状に可動。
ただ四這いになるだけながら、四這いになるための可動範囲はきっちり押さえてある、
といったところか。
あと、例の腕ぶんまわしギミックのせいで、肩の稼動がやりづらく、
4つ足で立たせるのがちょっとやっかいだったり。
プロポーションは良好。ビーストとしては正統派の出来。
ある意味、コレがあの怪物に変形するとは想像つかないかも。
―溢れ出した不安の影を―
何度でも裂いて―
と、い、う、わ、け、で・・・。
「ニヤっ」
「ニヤっ☆」
ば、ばけものだだだあああああ!
TFの正統方向の造形がある種の飽和に達し、
変化球的な模索が続けられた時期の、最果てに位置する"ビーストマシーンズ"、
その中でも特に"怪なり"という、札付きの一品である本作、
ビースト系の奇手、怪作、ナイトスラッシュチーターでした。
怪物であることを受け入れれば(ハードル)、
そこには"カッコいい怪物"というニューワールドが待っている!
まぁ、怪物的造形、というか、実は体型よりもその表情が大インパクトなんだけど、
大胆なクリアパーツの配置と、その内部まで及ぶ作りこみ、
何よりその大インパクトの造形は、
改めてプレーンな目で見ると、実は何とも魅力的に思えてしまう。
ギミックに思い切り足を引っ張られた、ちょっとナニな可動スペックも含めて(邪笑)、
少々"玄人向け"な出来ながら、中々に面白い一品。
ムービー版で多少異形のメカにも免疫が出来たと思いきや、
実はもっと前の時代に、これだけ独特の味を持ったシリーズが展開していた、
という、トランスフォーマーの懐の深さに、改めて感じ入る。