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「成るべきは天」、
紅蓮装 曹操ガンダム・天玉鎧 炎鳳

かなり久々の更新。

SDXと関節構造考証をメインの活動にするはずが、
両方とも全く手を付けていないため、開店休業状態に陥ってしまい、
お見苦しいところをお見せすることとなり、申し訳ありません。

せっかくのスペースなので、SD関連の模型記事でも掲載しておくことにします。

なお当方、模型製作に関しては完全に素人、
パチ組にマーカーで簡易塗装しかしていないため、
あまりご期待させてしまうと申し訳ないので、予めご了承ください。


今回のお題は、『SD三国伝 Brave Battle Warriors』より、
『紅蓮装 曹操ガンダム・天玉鎧 炎鳳』

焔神

三国伝の三大主人公の中でも、孤高の理想と猛き闘志が群を抜く、
曹操ガンダムの現行最強バージョンでの立体化。
絢爛たる姿をご紹介したい。


まずは曹操単体。
虎牢関攻略戦後、装備を改めた"紅蓮装"と呼称されるバージョン。

このセットでは、さらにグロスインジェクションによる光沢感溢れる仕上がりが楽しめる。

紅蓮装 曹操、正面

プロポーションは、かなり良好。
造形的にも、BB戦士としては申し分のないところ。

このあたりの"SD立体構築"について、事実上、ほぼ一社独占とはいえ、
バンダイの積み上げた経験値の厚みは素晴らしい。

紅蓮装 曹操、背面

"紅蓮装"の最も大きな特徴となる、背面の翼。
旧装備でも翼や装甲に変化するマントを装備していたが、
翼としての方向性に特化させ、
2対4枚、鳳凰を思わせる力強い造形の覇鳳翼を装備している。

紅蓮装 曹操、翼閉状態

この変化に伴い、"通常形態"は固有の形態としては無くなり、
翼状の形態がデフォルトとなっているが、上側2枚を下げることで、
翼を畳んだフォルムとすることも出来る。
アニメ劇中では、フル装備で玉座に坐している際、この状態となっていることが確認できる。

紅蓮装 曹操、防御形態

防御形態は旧装備同様、実装。
旧装備よりも覆っている面積は減っているが、フォルムが整えられた印象。

紅蓮装 曹操、バストアップ

頭部まわり。

近代BB戦士の立体構造の進歩が際立つのが、
やはり素体(軽装)頭部と被せた兜のフェイスガード部分に無駄な隙間が無いところか。

もっとも、この構成の造形がよろしくなかったのは、
かなり以前の話であり、
現行アイテムではも、うこのフィッティングは出来ていて当然となっている。

ガンダム顔の造形も、過度に"SD"を意識した幼い顔にしておらず、
目のサイズや目元のカッティングなどに、手慣れたバランス取りを感じさせるのがさすが。

紅蓮装 曹操、頭部側面

頭部~兜に関して、過去作品に比較し、可動を念頭に置いていることがうかがえる。
兜の首元まで垂れた部分が大きくカットされており、
また、素体頭部も襟元がやや高い位置になっていて、意外と大きく角度を付けられる。

この"意外と大きく"は、BB戦士に限らず、近代バンダイプラモデルのお家芸と言えるもの。

当方の"関節構造考証"のモチベーションを下げる一因でもある(笑)。

紅蓮装 曹操、指差し

ある意味この人物の"決めポーズ"である、指差しポーズ。
手首は、右手用の"指差し""ポーズ付き平手"が付属し、
差し替えてシチュエーションに対応出来る。

重箱隅だが、
SDではもっぱら握りこぶしが上下に圧縮されたように小さく描写・造形されているが、
このバランスで平手に開くと構造的に矛盾が生じる。
現行の模型では、あまり深くは考えず、平手は人間バランスになっているが、
上手いバランスに整えたデザインに移行してゆくことに期待する。

紅蓮装 曹操、軽装状態

パーツ分割で、ここまで除装が可能。
いわゆる"軽装タイプ"。

"三国伝"体型がよく分かる状態。
基本的に、人間の体型に近づけることで人間に近い可動をさせようとしている、
と思われる。

そのため、従来、というか、旧作品、のSDガンダムシリーズの体型に比して、
胴体はかなり薄く、手足は細く長く造形されている。

明らかに、BB戦士スケールにおける外装、鎧パーツの存在ありきのバランスだが、
"これはこれであり"と思わせる微妙なバランスにまとまっており、
当方の"関節構造考証"のモチベーションを下げる一因と(苦笑)

ちなみに、この状態でも意外なほど可動域は変わらない。

色々の意味でデザインの妙と言える。

紅蓮装 曹操、大紅蓮斬

必殺技、大紅蓮斬を想定しポージング。
頭部・肩口・上腕・手首・上脚・足首、に、ボール型ポリジョイント接続を導入、
腰にも左右回転可動を備え、このサイズのSD模型としては、
中々遊べる可動域。

紅蓮装 曹操、大紅蓮斬別アングル

ボールジョイントは、カップにはめ込まれたタイプではなく、
筒状の受けに差し込まれているだけなので、引き抜き気味にしてクリアランスを作り、
大きく動かすことも出来る反面、抜け落ちてしまうことも多い。

腕は肘をやや曲げた状態で固定とし、角度をつけることで微妙に表情を変えられる。

ただ、三国伝シリーズ初期に導入されていた、
手首の"武器に角度を付けられる細長穴"はいつの間にかに廃止されてしまった模様。

こういう大振りの刀剣を構える時にこそ欲しいギミックだけに、残念。

覇を為す焔

『炎骨刃』背面のからガスジェットを噴出して刃速を爆発的に加速させる、
というBB戦士同梱コミックの演出が非常に格好良かった。

"背面の牙も攻撃に使える"という設定記述があるが、
少なくとも曹操がそういった使用法をしている描写は無く、
もしかすると曹操は、
この剣の背面形状が熱交換器として適しているから用いているのかも?

・・・ただ、アニメ劇中では剣から炎のオーラ?を放つ攻撃に変更されており、
炎骨刃のみでなく、董卓暗殺未遂の際に用いた七星剣でもこの技を使っている。


『天玉鎧・炎鳳』

玉璽を持つ者に大いなる力を与える、とも、
神話の三侯の魂を受け継ぐものにのみ扱える、とも言われる、謎の神器・・・。

天玉鎧 炎鳳

劇中、三人の主人公の意志に呼応し、地形を塗り替えるほどの力をもたらす、
この世界のデウス・エクス・マキナたる存在。

袁紹との戦いの最中、昂ぶった曹操の意志に応え現れた、鳳鳳を象った姿の天玉鎧。


なお、天玉鎧は使用者たる三侯の魂の所持者によって、
それぞれ対応する3つの形態+もう一人、"何故か"天玉鎧を発動させられる呂布のための、
計4つの形態に変形するが、
今回、手元に他のユーザーのキットが無いのと、記事作成の時間の都合、
他の形態は割愛させていただく。

天玉鎧炎鳳、着装

紅蓮装 曹操・天玉鎧 炎鳳 着装形態

外部装甲の半分近くを長大な翼のように変化させ、
曹操に宿るという"焔神・雀瞬"を象徴するかのような鳳凰のヘッドフィギュアを展開した、
翼を広げた鳳凰そのもののような姿。

さらに、紅蓮装の覇鳳翼を翼端に接続し、さらに巨大なシルエットを構築する。

このギミックは、ホビージャパン誌に掲載された旧キット曹操+天玉鎧の作例において
実装されたものをベースにしていると思われる。

雑誌作例をもとに新バージョンキットにギミックが反映される、
黎明期のガンプラを思わせるような、どんどん高みを目指すフィードバックは快い。

天玉鎧炎鳳、上面

ウィングスパンは30Cmにも達し、大迫力の姿。

今回紹介しなかった"天玉鎧・蒼龍"、"天玉鎧・弩虎"には、
余剰パーツを出さずに組み換え可能。
しかし、曹操装着時に、鎧の襟パーツとバックパックが余剰になってしまうのが残念。
ジョイントの塊みたいな構造なので、
一工夫してどこかに付けられるように改造してみたいところ。

また、真武形態では、鳳凰の頭部を外すと玄武の顔が出現し、鳳凰の頭部が余ってしまう。
これも何とかしたいが、"鳳凰の頭部の下に玄武"というところを深読みしたくなる。

フレームの移動やジョイント基部の作り込みなど、凝った造りだが、
変形以外に遊べるギミックは特になし。

天玉鎧・炎鳳、後方

しかし、Gアーマー型の"蒼龍"、オーキスのように見える"弩虎"、
そしてこのGファルコンを思わせる"炎鳳"、
それぞれ、確かに納得できるだけ似ているのが凄い。

それぞれ、一番特徴のある形を出し入れし、
板状の翼=装甲を用いてシルエットを作る構造は、ちょっとした見もの。

炎鳳、エフェクトパーツ

このセットにおける、曹操本体のグロスインジェクションと並ぶ、ボーナスパーツ。
最大攻撃である『焔神昂』発動時をイメージした、
鳳凰の頭部に装着する炎のエフェクトパーツが付属。


ところで、劇中で見られた天玉鎧の主な機能は、
使用者を搭乗、または装着させ、
高速の空間起動と高エネルギーの力場?を用いた攻撃を行う、という大きく2点。
どの形態でもこれは大筋変わらなかったりするので、
パワーソース?または属性?が、三侯のいずれかであるか、という違いだけで、
機能は変化しないのかも?
逆に、属性?に対応するためだけに、あれだけ大規模にシステムを組み替える必要がある?

玉璽接続部

背面には発動キーであるとも言われている、覇者の証し、『玉璽』を接続可能。

玉璽を持つ者が天玉鎧を発動させる、という設定を反映した、雰囲気のあるギミック。

ちなみに、蒼龍、炎鳳は、玉璽を取り付けた状態で設定がが描かれているのに対し、
弩虎では接続ポート?が背面逆さ向きになっていて、付くといえば付くといった状態、
そして真武では、斜めになっているが正面にポートがあるのに取り付けられていない。

この辺から、何かを深読みしたくなってみたりもする。

玻璃

G記に曰く、"鳳凰の如き玻璃の輝き"


というわけで、『紅蓮装 曹操ガンダム・天玉鎧 炎鳳』
ざっくりとですが、ご紹介させていただきました。

しかし、このざっくり加減が、BB戦士の楽しみ方としては、正道なのかな?とも、
久々に手を動かしてみて思ったり。
タッチゲートやスライド金型により組み立て作業の簡略化によって、
"楽しい"と感じられる範疇で組み立てを楽しめ、
塗り分けが必要な部分も、ガンダムマーカーでも何とかなるレベルに
デザインされていると思われ、もうプラスワンの手間で、
シール貼りよりぐっと満足度が増すのが実に気持ちいい。

成るべきは天

実際に手に取り、組んで塗って遊んでみて、
改めて"復活したBB戦士"を実感。

デスクトップサイズに凝縮された、紅蓮の翼を駈る曹操の雄姿を、
ワンパッケージで存分に堪能できる楽しさ。

やはりBB戦士は、面白い。

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