ヒューズが飛びそうだぜ
"トランスフォーマー・ムービーシリーズ"より、 『MD-19 サンダークラッカー』。
私的、
"何か衝動買いしたくなった時のために、在庫の手堅いアイテムは買わずに置いとく"
要員に選ばれてしまった、
今代のおもちゃ売場の守護神たる存在ですが、
すわ、いよいよ
「衝動買いしたくなったぜ!なにかTFは無いか!」と、
満を持して買ってみたら、いや、何でしょう!コレ、
物凄くカッコイイのですが!?
とりあえず、パケ写真撮ったヤツ誰だ、と言っておく。
今回は、久々に、レビューと呼べる量で攻めていたり。
写真的には、小サイズで撮ってほとんど無加工でOK!
・・・・・・、と言えるかと思ったが。
ホワイトバランス調整忘れたという、天を仰ぎたくなるミスにより、
全点、フォトショのカラーバランス補正済。
しかし、本当は、もうちょっとグレー掛かったメタリックブルーという、
複雑でシブい色合いなので。補正じゃ再現できねぇ。何やってんだ自分。
ちなみにコレは夜間の車内(ナニやってんだ)で、
LEDルームランプで撮ったら深海みたいになったの図。
と、いうわけで、レビューは以下より。
まずはビークル。
ムービーシリーズのトイなので、"**っぽい"ではなく、
紛う事無く『F-22 ラプター』がモチーフ。
ただ、「・・・・・・、ラプター?」な分厚さは目をつぶらねばならない(苦笑)。
見慣れちゃうと、どうという事は無いのですが。
リアビュー。
何か見えてますが、見慣れてしまえば、どうという事は無い。
頭が見えてて何が悪い。
ご存知の方はご存知の通り、この『サンダークラッカー』、
旧作・トランスフォーマーにおける位置付けどおり、
ムービー版『スタースクリーム』の同型リデコキャラとなっております。
実は、スタースクリームも持っているので、ほとんど変わらない同品は、
まぁ、コレクションとして、くらいの価値しか無いかぁ?
とか思っていたのです・・・、
・・・が!
正直、スタースクリームは、満足したとは言い切れなかった。
色々と、製品完成度に不足があった上、
少々、デザインが冒険しすぎていて、特に顔(苦笑)、
フツーにカッコイイ連中の中、"ムービーシリーズの異彩放ち係"として
埋没してしまった印象だったのですが(暴言!暴言!)。
コイツは、それら不満点を一掃してしまっている!
順を追ってご紹介しましょう。
底面。
ステルス性を突き詰めたF-22の面影を大胆に無視した(笑)、
メカニック感溢れる様相。
翼下にこれでもか、と詰まれた武装類が実に無骨な迫力をかもしている。
分厚さとギミックの都合か、脚収納ギミックが無いのは飛行機TFとしては少々惜しい。
で、このように、
翼端・・・というか、側面に懸垂されたミサイル?を、ランチャーに装填可能。
このままコロガシ走行させると、
ギア連動でランチャーが回転しながら、弾頭を連射!
中々楽しいギミックですが、
コレ、随時あらゆるタイミングで暴発しまくるので、
正直、ちょっと困る。後述。
あと、ミサイルを吊ってあったパイロン?は折り畳み可。
パイロンにミサイルを差し込むときは、
ミサイルの肉抜き穴が外側に来るように差し込むと抜け難い。
外側には、爪状ディテールがある都合、固定し辛い。
では、トランスフォーム!
まるで、"一度バラバラになってロボットに組みなおされるが如く"な印象は、
劇中の変形コンセプトとも合致して?そういう意味では見事。
機体上面および主翼、補助翼がことごとく移動・変形する複雑さでありながら、
四肢はほとんど広げるだけ、という、まとまった印象も感じさせる。
そして、今回の"オートモーフ"機構。
ムービー玩具の特徴である、連動展開・変形機構は、今回はココ。
機種上面が連結されたアームを後方へ移動させる動作に連動して、
機体上面構造がパンタグラフよろしく広がるように展開し、
ボディ前面の形状を構成する。
大胆な形状変化が面白いが、
「どこが一体どうなってこうなるわけ!?」
という、驚愕技巧揃いの同シリーズの中においては、
見た目でアクションが理解できる分、案外インパクトは薄いかも(笑)。
ところで、変形のワンポイント。
何はともあれ、先ず、水平尾翼を手前に起こす。
説明書では、終盤まで放って置かれるのみならず、
後ろに倒すという逆アクションを解説してくれていますが、
間違いなく、ポロリまくります。
とにかく、変形中途のあらゆる所作において引っかかりまくり、
そしてジョイント基部から抜く方向に力が入りまくるので、
ポロポロポロポロポロポロポロポロ・・・・・・、
きぃ!
と、言いたくなること請け合い。
あらかじめ、この向きに逃げておくだけで万事解決です。
コレに気付かなかった初回変形は、戻し含めて軽く1時間掛かり、
逐一。「きぃ!」とうめいておりました。
なお、設計した方の名誉のために言っておくと、
基部の強度もはめ合い精度も適切なレベルであり、
普通に遊んでいる限り、外れる事はあまり多くない。
とりあえず、取説書いたヤツ誰だ、と言っておく。
さて、今回の改修点
先に述べたとおり、先発同型アイテム『スタースクリーム』では、
変形の複雑さに対して、各部の調整が実に未達成な感触で、
まぁ、個体差もあったのかもしれませんが、
当方が確保したものに関しては、正直、触って楽しいものではなかった。
で、まず誉めたいのは、今回の『サンダークラッカー』では、
それらの調整がおおよそ及第レベルまでは達成されている、という事。
元の構造にも起因するのか、
残念ながら、「スゲエ良い合い!」なレベルではないが、少なくとも、
"おっかなびっくり変形してみると、あちこち隙間が空いたりブラブラだったり"
で、ガッカリ、という事は無くなった。
これは素直にうれしいポイント。
また、前作では、どういうわけか、
足の関節クリックの固さが、個体によっては破壊寸前の固さ、という問題があり、
当方確保の固体も、バキバキ言いながら可動する恐い代物だったが、
今回は真っ当なクリック感になっていたので、
もしかして、ココも修正されたのかもしれない。
で、それはそれとして。
やっぱり、まだ直ってないところがあったりでしてね。
分っかりますかねぇ?
肩をつないでいるグレーの骨格、
コレ、変形時には写真の位置に広がって止まるのですが、
その開き具合が、スタスクの頃から左右でズレてる。
見た目かなり目立つので、直しておいて欲しかったところ。
位置を決める部分に適当なプラ版を挟み込んで接着して調整。
あと、困った事に、
ビークルモードでのふともも部収納位置(インテークっぽくなる部分)が、
どうも左右で干渉してぴったり収まらない。
両足の内側どうしがぶつかって入らないので、
ぶつかってる部分を削ってしまえ・・・、
と、どのへんを削るか検討してみたものの、どうも、
本来、設計レベルで干渉気味な気がしてきて、
これ下手にいじっても、見た目悪くした以上の効果が出ない可能性があるので、
ちょっとまだ恐くていじってない。
とはいえ、まぁ、
いざとなれば、なにしろおもちゃ売場の守護神ですから、
予備を調達する事は容易なんで、
それほどビビる事も無いッちゃあ無いのですがね(邪笑)。
さて、同じくらい困り果てているのが、
やっぱりミサイル暴発問題。
これ、ホントに暴発しまくる。
ビークル時はまだマシ。
ロボットにすると、ヒジ関節のすぐそば"にスイッチがあり、
ちょっとポーズ変えようとすると、ピュンピュン飛ぶ。
あらぬ向きで飛ぶ。
どこかへ飛ぶ。
そもそも構造がナニなようで、何もしなくても飛ぶ。
無くなる。
探す。
きぃ!
というわけで、
これについては、ストレス無く遊ぶために、最優先で何とかする必要がありまして。
同好の方のサイトを見ると、
「もう割り切って外しっぱなしにしてる。」
という方も見受けられ、当方も、スタスクの時は、実際そうしていたのですが・・・、
今回、改めてデザインを見返すと、やっぱりそれは惜しい。
ビークル時の、武装満載な感じも半減してしまうし、
ロボット時には、このミサイル、どうも"指"、長い指の意匠のようで、
無いとイメージがちょっと変わってしまうのですよね。
それは、やっぱり勿体無い。
と、いうわけで、上図の処置な訳ですが。
ナニをしてるのかって、何もしてませんよ、ただ単に、
スイッチの押し込みストローク部分にプラ版詰め込んで動かなくしただけ。
なんたる無思考(苦笑)。
完全にギャップを詰めてしまうと、ミサイルが二度と外れなくなるので、
ちょっとは動くようにしてあるのですが、
どうも生来、よっぽどよく飛ぶようにしたかったのか、
そんな僅かなギャップでもたまに暴発するので、
やっぱり、覚悟を決めて、
腕部全分解して発射用のばねを抜き取るしか抜本的な解決は無さそうか・・・。
ついでに、そのミサイルを吊ってあったパイロンも、
個体差か、真正面向きに固定できなかった。
これは、パイロン部品のパーティングライン段差が原因なので、
きれいに整形すれば直るはず。
当方のものは、裏返して付け直したら、大体真っ直ぐだったので手を加えず(笑)。
さて、いよいよ変形完了。
・・・・・・、
どうですか!この妖しくも魅惑的な異形の姿態!
異様なほどに広い肩幅、
いや既に、"肩"という概念の存在が危ぶまれるほどに
人類とかけ離れたプロポーション!
その末端に位置する、太く、長い、武装そのものである腕!長大な三ツ爪!
全身を支える脚部は逆関節を備え、末端へ向けて細る鳥類の如くシルエット!
裏返すと、これでもか、と、"裏側的"ディテール。
総括して一言で言うと化けガニ。
いや、
確かに、コレを"トランスフォーマー"と言われた日には、
「中に人が入ってるロボットはもう沢山だ!変わったデザインが見たいぜ!」
と、日頃から言い切ってはばかりない当方といえども、
ちょっと、ちょびっと、些少ながら、ビビりましたとも!
だがしかし!
これは・・・、
か、カッコ良いのでは?
カッコ良いのかもしれん!
か、カッコ良い!
と、ちょっとポーズをとらせつついじくっていると、
なんと、たちまちに異形の魅力に取り付かれてしまった。
各関節は、場所によってクリック入り。
肘は特に、ギア連動ギミックの都合もあるのか、金属ばね入りの上等なクリック。
足回りは、足首以外全てプラばねクリック内蔵であるものの、
足変形用のヒンジ構造が干渉しまくって、
太ももの前可動がかなり狭いのがもったいない。
独特の逆関節のヒザは、慣れてしまえば結構それっぽいポーズが決まって面白い。
足首はクリック無しにも関わらず前後に良く動き、
接地面積と状態の重さの割に、よく安定して自立する。
総括して、実は優秀な可動範囲。
スタスクの時は、
ほんのちょっとばかりセンセーショナルな顔のインパクトに目を奪われていて
全然気付かなかったのですが、
こいつは、"空を飛ぶロボットエイリアン"というコンセプトとしては、
実に、それそのもの、という印象を抱かせてくれる、良いデザインに思えるのですよ。
翼を全て折り畳んでしまっているにも関わらず、
その左右に平たいボディは、いかにも飛びそうであり、
それでいて重々しく振りかざす長腕には、力強さが満ちている。
なにより、この顔ですよ!顔!
この、"威容"と言うに相応しい、猛々しい容貌!
コレで、首から下がアレなんですよ!
たまらないカッコ良さですよワタシ的には!
あと、主翼、垂直尾翼、水平尾翼が折り重なって構成された、
肩口?の鎧的構造も、デザインの魅力の一つ。
パケ写真だと水平尾翼を襟みたいに立てているのですが、
取説では、上図の如く。個人的にはこっちのが良い。
そして、ご覧の通り、目と口?の集光発光が実に良く光り、
ちょっと逆光気味にすると、
オレンジ色に、ぼう、と炯(ひか)る眼光がたまらなくカッコイイ!
あと、パケイラストに描かれている頭部アップでは、
額にディセプティコン(デストロン)マークに良く似たエンブレムが
刻印されているのですが、
現物では、ほとんど判別適わぬ程度。
かなり頑張ってはいるのですが、サイズがサイズか。
というわけで、
"トランスフォーマー・ムービー"版『サンダークラッカー』をご紹介の巻でした。
イロモノ、イロモノ、と、敬遠してしまったのが実に勿体無いアイテム。
いや、顔の造形一つで、ここまで印象が変わるものかと。
殊に、顔の好みで『スタースクリーム』を避けてしまった方には、
これはオススメと言っても良いかもしれない。
ただ、前述の通り、
ギミックに関していくらかの問題を自力解決しなければならない事は
特に記しておかねばならない。
ロボット形態の容姿の奇怪さに対し、ビークルモードのリアル指向、
ギミック感のある変形ギミック、と、改めて見れば、見るべきところの多い一品。
荒削りな出来ではあるが、
ありきたりなロボトイに飽きた時には、実に刺激的な魅力に感じられる。