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羊たちの牙

ところで、よくよく考えたら、

ビクトリノックスが無いと家でナッツの殻を割ったり魚のウロコを取ったり、
折り紙を作るための新聞紙を切ったりリモコンのネジを回したりする事が出来ない

と、気付き、

新・ビクトリノックス!

しょうがない、任意提出させられた、故・二代目ビクトリノックスに代わる、
三代目を購入して来ましたよ。


ちなみに、返還させる方法もある。
ただ、裁判所に書類で意義を申し立てて、通れば、の話、
みたいな、果てしなく面倒でこじれそうなプロセスを経る必要があるので、
普通は泣き寝入り。

中には、ガチで"友人からもらった記念品"だから返還を請求したけど、
何年たっても音沙汰が無い、なんて方もいるらしい。


三代目ビクトリノックス。

ビクトリノックス

やはり、美しいですね。
道具として決してコストパフォーマンスの良い部類ではありませんが、
携行用ツールとして磨きこまれた、"老舗"の息吹を感じる事が出来る一品です。

今回購入したのは、
定番の"ナイフ/ハサミ/ヤスリ&ミニマイナスドライバー"に加え、
片面にツースピック(つまようじ)orピンセットホルダー、
反対側に、LEDライトを内蔵した、スイスライト

2代目は、ピンセットホルダーの替わりにボールペンが入った
シグネチャータイプだったのですが、
このボールペンが思ったより頼りにならない代物(苦笑)だったので、
(も、もしや防水インクだったりとか?ワクワク・・・、アレ?乾いて書けない・・・。)
今回はピンセット付きをチョイス。

フルオープン

フルオープン。
可動部のテンションやガタの無さ、スムーズさは、
さすが、某大陸製品のパチモンとは正に比べるべくも無い見事な手ごたえ。

残念ながら近代日本工業製品ではないがしろにされがちな(暴言)、
"感性"を設計に取り入れるのを得意とする、
ヨーロッパ人らしいプロダクツと言えるでしょう。

ナイフ

ナイフエッジは結構鋭い。ちくちくする。
ただ、刃厚が薄いので、乱暴に使ってるとすぐナマクラになってしまう。
そうすると刃研ぎしなくちゃいけないんですが、当方、ヘタクソなんですよね。

ハサミ

ハサミ。
不思議なくらい切れる。これはホントに設計と研ぎ精度の良さとしか。
ただちっちゃくて使いづらいのは携行ツールの宿命か。

ヤスリ&ドライバー

さすがに使用頻度の低いヤスリと、
コレばっかは毎度オマケとしか思えないミニマイナスドライバー。
マイナス、ってのはともかく、刃の部分が短いからネジ穴に入らないことが多々。
ダメじゃん・・・。

LEDライト

LEDライト。
"スイスクロス"エンブレム部分がラバー?になっていて、隠しスイッチになっている。
中々良いセンス。
しかし、今時赤色LEDって、どんな特殊用途かと、小1時間(略)。
おもちゃのプロジェクターライト(壁にキャラクターが投影できるぞ、みたいなやつ)
だって、いまどき白色LEDなのに・・・。

分解して変えちゃおうか、とか思ったけどコレ、どこからバラすのかさっぱりわからん。


というわけで、携行ツールの王道定番ブランド、ビクトリノックスでした。
いやぁ、やっぱり、手に取った時のワクワク感がたまらないですね。

ああ、もちろん、皆様ご承知と思いますが、

家から持ち出したら犯罪ですので

まぁ、携行ツールなんですがね。存在自体が日本国の法に反する代物です。
だから、日本においては、これは観賞小物ということです。
古刀剣コレクターの方に比べれば、家にある分には合法なのでまだ楽ですね、
ああ、良かった。

ところで、ウェブサイト(ビクトリノックスジャパン)を見たら、
なんと、小刀の所持を犯罪として適用している某国家でも
実用できるツールを目指してか、
『ブレードレス』なんていうタイプがあるみたいです!
搭載ツールが、ほんとデフォのやつしか今のところ無いのが残念ですが、
これは欲しいですね。

ただ、ハサミが入ってるので、官憲のご機嫌を損ねたら、これでもNGって気はしますが。

読んでみると、驚くほど曖昧な法律ですからね、軽犯罪法。

当方が被った状況が生温く思えるような、
とんでもない過去事例が幾つも有るようなので、皆様、くれぐれも、
道で警官を見たら気付かれる前に逃げるか、
笑顔で平伏して、くれぐれもご機嫌を損ねないよう、ご注意下さい。

**追記********

ホントにビクトリノックスのハサミもNGだったらしい。
"「人を殺傷しうる凶器になる」"って言われたそうだ。

チッ、今、まさにアマゾンでポチろうとしてたのに・・・。

ググってると、ナイフ狩り被害の方が、ホントに多い事が伺える。

中には、ビクトリノックス社にメールで、
"ナイフの無いバージョン作って"
的なお願いをした方もいらっしゃるようですが、
そのビクトリノックス社からの回答が丁寧で、内容がすごい。
どうやら、諸々の被害の口実としてよく使われるマルチツールの発売元であるビ社は、
この問題を重視しているようで、結構情報を集めておられる模様。

ビ社としては、マルチツールの携帯が違法とは思えない、とのこと。

そして、ぶっちゃけ、
新宿、池袋、秋葉原
以外では、こういう被害はウォッチされて無いそうです。

・・・わかっちゃいたが、露骨なピンポイント。
"こっち系"の人間は見た目と雰囲気が"気味が悪い"から犯罪者で、
"あっち系"の人間は、見た目ヤバイけど"カッコイイ"から善良な市民、ってか。

"こっち系の人間の偏見ですが"、と、断っておきますが、
渋谷とか立川とかの方が、治安が悪そうという点ではよっぽど危ないと思うけど、
なんで、素手でリンチしてきそうな連中が闊歩してる地域には
おまわりさんは入ってこないんですかね?

"「ヤ*ザに道を歩かせる道理は無い」"?ほんとに実践しようと思ってる?

************


オマケ。

いっしょに買ってきた刃物色々。

穴あきハサミプロ

穴あきハサミプロ185(サンスター製)。

"185"は、刃の長さ、穴あき、は、見ての通り。
しかし、コレの真価は穴がどうこうではなく、
ちょうつがい部がスライドしてせん断角を深くする機構にあると思う。

ちょうつがいがスライド

いいなぁ、バカだなぁ(賛辞)。

グリップまでステンレス一体のすっきりしたフォルムもカッコイイ。
"グッドデザイン賞"だとか"ステーショナリーオブザイヤー"だとか取ってるそうで。

マグネタッチ

マグネタッチ(オルファ製)。

昔からよくあった、"かまぼこ型"グリップのちびカッターの末裔的代物。
名前の通り、裏面にマグネットが入っていて、
冷蔵庫とかPC筐体とか(やめてぇ!)に、ペタペタくっつく。
また、刃がスプリングで自動的に引っ込む安全機能付き。

おまわりさん曰く、

「(上記)みたいなカッターが筆入れに入ってる分には、
さすがにそんなの取り締まらないね、普通。」

と言っていたので、早速買ってきた次第。
ただ、なんか軽犯罪法の解釈で"凶器"って言われる可能性は
否定できない気がする

このおまわりさんはOKでも、別の機嫌の悪い警官はNG出す事もあるかもね。

セラミックペンカッター

セラミックペンカッター(京セラ製)。

いわゆる一枚切りカッター。
ペンタイプで、コンパクト、携行性もバツグン。
ちみっちゃい切れ刃はしかし、セラミック製で切れ味中々に良好。

セラミック刃

ただ、刃先が1mmちょっとしかないので、厚い封筒なんかだと、
(具体的には、とらのあなの袋とか。)
切れても貫通できないような事も・・・。

あとそもそも一枚切りなので、梱包を浮かせてテープだけ切る、
みたいな使い方をするには、結構コツが要るんじゃないかなぁ。

とはいえ、これは便利なので車に常備したいですが、
軽犯罪法の解釈で"凶器"って言われたらオシマイだから
やめた方がいいですね。

・・・・・・、
コレで人に負わせられる怪我って、ボールペンとか車のキーとか、
何なら生身の爪とかの方が、まだ重傷になるんじゃね?って気もするけど。

聞いてみたくなってきたな、警察に、どこまでNGか、って。


刃物。

とても便利な、しかし、人間を害しうる道具。
そしてそれゆえ、そのパッケージングには、
職人的センスを持ったメーカー各社が、趣向を凝らし、
生活に溶け込む、自然な使用と携行が可能になっています。
そこには当然、道具としての魅力が生じ、
我々、"こちら系"の人間を魅了して止みません。

それを、あるべき状態に保有する事が罪というなら、
それは、ほぼ人間そのものの原罪、なのかもしれませんね。

あとは、使う人間次第。

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コメント

スマン、ビクトリノックス!
白色LED版ってあるのね!
しかも、このライト、見た目よりも実装容積かなり小さいんですね。
今まで、白色を入れたくても電源の都合で入らなかったそうで。
うわあ、買ったばかりだけど欲しいなぁ・・・。