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珍客来たりて

もうワンフェスカタログが売ってる時期になって尚、
出典物の性能確認が終わっていないという危機的というか、
ダイハードな状況下に、テンパった状況判断だけで休出を命じようとした上司に
殺気を浴びせて、休日の本日。さて今日明日で終わるかどうか。

ああ、とうとうメガトロン様の写真を載せないうちに映画公開日になってしまった。
特典前売り券は買えず終いだったが、果たして、今日見に行けるだろうか。

・・・な、昨日今日に転がり込んだ珍事。


SN250535.jpg

カブト虫。
桃は朝には丸かったはず。

・・・先に注釈を入れておきますと、
ワタクシ、背骨の無い連中とは顔を合わせるのも御免被りたい、というような性質で、
エビカニも「うっま~い!」と思わず言ってしまうにもかかわらず、
形を見るのがイヤで食わない、という節足動物キライ人間なのですよ。
何でこんな足が6本もある野郎を置いてやって、メシまで食わせてやってるのかって・・・。


スーパーから帰ってきたら、袋の中のレタスに引っ付いていたのです。
状況から、おそらく野生や人家から逃げたものではなく、
スーパーの虫かごから脱走し、腹を空かせてヨレヨレになり、
レタスについた水滴をすすろうと私の買い物袋の中に入り込んだ模様。

おのれ、この虫野郎、店を出る前なら、
いや、せめて家につく前に気付けば、放り出してやったものを、
ここでこのヨレヨレの虫を放ったら野垂れ死には必至。
こいつは糖度の高い樹液やら果実しかすすらない上に、セミとかみたいに
自力で木を穿孔したりかじったりするタフな食生活はムリだろうし、
放り出して、翌朝ウチの門前で猫やカラスにバラされて死んでいたりしたら、
寝覚めが悪いじゃねぇか。


・・・と、ながい前置きがあって、この虫野郎は今こうして、
当家の居間の鉢植えの根元で、桃なんかちゅーちゅー吸ってるわけで。

昨夜は、くっついてきたレタスの葉にとりあえず蜂蜜を溶いた水をかけてやったら、
もう、無言で(いや大概何も言わないが)レタスにしがみついて、
ごろり、と横倒しになってしまって。

いや、最初ソレを見たとき、『ああ、やはり弱っている、長くは無いな・・・。』、と
思ったのですよ。生き物は自力で起き上がれなくなったら最期ですから。
連れてきてしまった縁で、死に水を取らせてやるぐらいのつもりでいて、
あとで庭に埋めてやろう、とか思ってたら、
翌朝、変わらずゴロンゴロンと転がっているのですよ。
ええ、巷では虫キングなどと呼ばれる雄雄しい印象はどこへやら、
ほとんど抱き枕をかかえてゴロゴロしてるようにしか見えない体たらくで。
コノヤロウ、ただダラけてるだけなのかよ。

結局、全然弱る兆候無し。


さて、親戚のお子にでもあげてしまおうか、
それともたっぷり栄養をやった上で外に放り出すか、
未だに処遇を決めかねている次第。

真っ当に生きても、あと1ヶ月そこらなんだろうが、
その間、こうして果物やらハチミツを与え続けるのか・・・。

いや、砂糖水でも別段文句は言わずにすするのだろうが、
こうしてゼイタクを憶えさせてしまった事には多少の責を感じなくも無い。

しかし、なんというか、
工場みたいなところで養殖されて生を受け、樹も太陽も生殖すらも無縁に、
ジャリっ子のなぐさみものにお子達のひと夏の友として生を全うするはずが、
こうして空調の効いた部屋で(快適かどうかは知らんが)、
人間様もそうそう口に出来ない桃丸ごとをちゅーちゅー吸ってる、というのは、
桃源郷には程遠いものの、
どうして中々、それなりのところにたどり着いたのかもしれません。

・・・なんだか微妙に腹が立つぞ、この居候虫ヤロウ。


ところで、カゴもケースも全くないですが、
植木鉢と横に置いた皿から全く離れる気配がありません。
およそ、食ってゴロゴロするだけの生物と化しているため、
離れる必要も欲求も存在しない模様。

・・・やっぱり放り出すか、この虫・・・。

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