« そちらスネーク? | メイン | スネークは、還る »

JET-BLACK

-JET-

おもむろに『ジェノブレイカー』を超手っ取り早く塗装して、
『ジェノブレイカー・ジェット』をでっちあげるの巻


はい、ZOIDSです。いきなり。
今、何気に熱いゾイド。狂喜をも通り越し、恐慌にすら至らん大再販ラッシュを
目前に控えるゾイド。

前回の電動シリーズ再販の折に再び店頭に並ぶ事となった『ジェノブレイカー』を
量販店で発見し、「安!」とビックリ。
いや、最近の"大人向け"シリーズが高すぎる、と個人的には思うのですが。
とにかく、このくらい安いのならば、もう一個買ってもいいだろうか、
とか思ったわけで。
はい(苦笑)、例によって、所蔵品は暗黒要塞の奥深くです。

しかし、どうせジェノブレイカーなら、以前に限定版として発売され、
今では1万円オーバーの値が付いている『ジェノブレイカー ジェット』が欲しいなぁ、と。

んで、折りしも、その『ジェット』の"組み済現状 ジャンク扱い"というのが
秋葉の某店に展示されておりまして。
で、初めて現物を見たのですが、
アレー?なんか、想像の中では、装甲面は、ツヤツヤヌルヌルテカテカしていたのですが、
普通にマット仕上げになってるのですね。

まぁ、これも思い出補正である可能性があるのですが、
ジェノブレイカー(ジェノザウラー)のデザインソースの『デスザウラー』の当時品は、
装甲が不気味に濡れ光るようなツヤ有りブラックだった気が。
その印象(?)が強かったもので、ちょっとイメージと違うなぁ、と。

このキットに、かなりの期待&幻想を抱いていたので、
ギャップに結構ショック。

これだったら、いっそ自分で塗ったほうが良いのか?
と、ここでさっきの「安!」が脳裏に閃く。

どうせランナーごとに成型色換えなんだろうから、
もう難しいこと考えずに、ランナーごとスプレーベタ吹きで良いんじゃね?

それだったら、手っ取り早い上に、2千円ちょっとで
ヌルヌルテカテカのジェノブレイカージェットが手に入るぞ!

じゃ、もう作るしかねぇよな!

と、まぁ、そんな流れ。


黒い戦慄

というわけで、珍しく、実際にやってみた

まぁ、ご覧の通り、ユカイなオチは付かずに、ホントに珍しく、完成。

ご存知の方はご存知の通り、『ジェノブレイカー ジェット』とは、
設定はまぁ、割愛しますが、装甲面が真っ黒い『ジェノブレイカー』。

なので、とりあえず、量販店でジェノブレイカーを買ったついでに、
ツヤ有り黒のスプレーを物色。
いや、黒、といっても結構種類があって中々面白い。

とりあえず、今回は磨いたり本格的な手間を掛ける気は全く無かったので、
単色ベタ吹きでも面白い具合になることを期待して、
クレオス製『メタルブラック』をチョイス。
いい具合にトイっぽい仕上がりになってくれると嬉しい。

ちなみに、『ジェットブラック』というのは、実は一部家電メーカーの造語らしく、
ググってもウィキっても出てこなかったり。

『ジェット』というのは、『黒玉』ともいう、宝石?の一種だそうで、
石炭に近い物質で、しっとりした深い光沢のある黒い石だそうな。


余談。
秋葉の某店で思い立ち、地元に戻って量販店を覗くと、
うわ!無くなってる!?
という、定番の展開。
このまま、キットが買えずにフテ寝、というパターンが危惧されたが、
そうはさせじと、そのまま都心にとって返し、新宿で無事に入手、という
ちょっとした冒険をしてしまった。

真面目にコスト計算するなら、この交通費も乗せるべきなのかも知れないが、
そういうロマンの無い思考はとりあえず避けておきたい(苦笑)。

俗に言う、

「そういうこと言う人キライです!」

だろうか。


収束荷電粒子砲、発射形態。
発射時にエクスブレイカー(ハサミ)を展開するのは、ゲーム『ゾイドインフィニティ』に順ずる。

荷電粒子砲

まぁ、オチ、というほどではないものの、思ったより簡単には終わらなかった。

というか、実は当方、(この程度ですら)サフ以外のスプレー初体験
いや、経験が無いってのは何ともしがたい。
最初、そもそもツヤが全く出ず、「?」と首を捻るばかり。
それも、全体的にきれいなマット面になってくれるものだから、
もしかして、この塗料はこういうものなんだろうか?とすら思ってしまったくらいで。

で、乾かしてみたら、局部的にテッカテカのツヤ面が出来ていて、ギャー、と。

補機類展開

結局、最初に塗り始めたボディのパーツを実験台と割り切り、
ツヤが出るまで吹き続けた、というSなのかMなのか分からんプレイ。
危うく、エッジが無くなる前に、
"ある程度近くから、ある程度厚く、ある程度直角に"塗らなくてはならない、
というコツ?を会得。

途中、週末になるたんびに雨という、「ちょ!オイ!神!」
なトラブルに見舞われたものの、平日深夜に作業強行。

"カブる"っていう現象も初めて目撃したなぁ。
というか、明け方近くに、壁に貼っていた新聞紙が"ヘタっ"となってきたな、
と思ったら、ノズルから白い霧が噴出してギョエーとか。
湿気恐るべし。

重盾

まぁ、どうにか、このくらいの塗装面にできましたー、と。
最終的には、意図していたツヤツヤテカテカヌルヌルな感じになって、
メタリックも、良い具合に"トイっぽい重量感"が出てくれて、とても満足。

塗り残しとか、そもそもランナーから切らずに塗装ってくらいなので気にしない。

何気に、ちょっと飾ってるうちにずいぶんホコリ付いたなって事に、
写真の加工中に気付き愕然。ナンジャコリャー。

しかし、誤算だったのは、最初、装甲だけ黒く塗れば『ジェット』に見えるかと思ったのですが、
フレームも塗り替えないとかなり印象が違うっていうか、締まらないと判明。

ヌルテカ装甲との対比として、ツヤが無くて彩度の低い赤、ということで、
サビ止め赤なんかの『ダグレッド』を選択。
もはや多少の塗り残しは効果のうち、と豪語しつつバッサバッサ吹く。
まぁ、正味のところ、大きい面が無いし、ツヤムラが気にならないので、
吹くこと自体はとても楽だった。

・・・が、フレームを赤にした事によって、黒い(黒くした)装甲パーツに、
元から塗り分けで再現されていたダクト類の色も、
ダグレッドに塗りなおさなければならなくなってしまったり。

マスキングですよ!マスキング!
まぁ、実はこの赤抜きでも、ダクトの所はマスキングしてたのですがねー。
やっぱり、と言うべきか、ここが今回最も上手く行かなかったところになってしまった。

ぶっちゃけ、マスキング初心者がやるミスは一通り。
流れ込んでギャー。剥がしてギャー。

もう、
下地塗装が赤なんだよ!そこに電波吸収剤の入った黒を塗ってるんだよ!
剥げると赤い地が出て来るんだよ!だからこれでいいんだよ!

と、某キバヤシ殿みたいな集中線の付きそうな形相で叫んで、
己に「な、なんだって~!」

と言わせて、レタッチとか吹き直しとかしない(苦笑)。


ここで、はっきり言っておこう。

今回の、模型製作としてのテーマは、ずばり、

面倒と思ったことはしない

である。


コックピット周り。

操縦室、開放

コックピットハッチは、ランナー構成に従うなら、赤く塗装するべき部分で、
実際、商品の『ジェット』も赤いのですが、操縦席は最優先で装甲化されるはずだろう、
と、他の装甲と同じくツヤ黒で塗装。
配色バランスとしては赤いほうが良さそうだけど、考察屋として。

で、なんというか、このキット、コックピットがパイロットフィギュアに対してガバガバで、
正味のところ、フィギュアを放り込んであるだけ状態なので、
どうせ放り込むだけなら、と、『ブロックス ネオ』の、新規造形のパイロットを入れてみたり。
旧パイロットとの互換は無いのですが、ほんとにガバガバなので問題なく入ったり。
それに、ゾイドのパイロットっていったら、やっぱりメッキですよねー。


そして、おもむろにゾイド・オン!
ちゃあんと可動部は頑張って全部マスキングしたので、動く!
アグレッシブに!

しかし、コレ、キット段階で軸がグリスアップされているのに今回初めて気付いた。
動作を確実にしてくれる嬉しい配慮・・・、ですが、マスキングがおもっきし困難に(苦笑)。

ブレイカー!

露出長めで撮ってるから、凄い具合に動いてる感が出ておりますね(半ヤケ)。
目、光ってる、光ってる。

このジェノブレイカー(ジェノザウラー)、平成ゾイドにおける新規電動キット第一弾で、
初めて見たときには、このサイズで目発光に加え、
何より、この旧作とは比較にならない躍動的に体を震わせながら歩く様に、
ゾイドの新時代の到来を感じたものです・・・。

まぁ、色々・・・、色々あって、
今度こそ、本当にゾイド再燃!となってくれる事を切に願う次第。
カッコイイSFデザインの機械系ギミックトイって、ホントに絶滅状態ですからねぇ、今。


と、いうわけで、
思い立ったが吉日的、初心者モデリングでした。

いやー、今回は、実に楽しめた
先ほど言った、「面倒と思ったことはしない」ですが、
正味のところ、ネタ抜きなのだったりしまして。

当方、ある意味典型的な蜜柑星人、もとい、未完成人でして。

まぁ、アレです、
中学生ぐらいまでは、BB戦士なんかなら、
買ってきたらペイントマーカーで足りない色乗せて、せいぜい肩とか足の付け根を
Bジョイントに換えるくらい。所要時間せいぜい2、3日。
後はひたすら遊び倒して、次の小遣い&キット発売を待つ、というサイクル。

しかし、模型誌を見て小ざかしい知識を付け出す高校生くらいになると、
自分で設定するゴールが、あんまりにも遠すぎて
1サイクル中に到達不可能になってしまったりするのですよね。

ええ、『戦国伝考証』が最も冴えていた大学生ごろは、
ハードルも世界大会レベルになってしまっていて、
買ってくるそばからバラバラにして取り返しが付かなくなっていたりばかりでしたねぇ。

そうこうしているうちに、模型製作そのものに対して、脳が"苦しい"と学習してしまい
だんだん、買ってくるそばから押入れにしまうばかりに移行してゆくわけです。

ぶっちゃけ、一昔前の模型誌もイカンかったよな・・・、"入門"、と言っといて、
"まず、全面を#400で研いでヒケを・・・"から始められちゃったら、
いつまで経っても形が出来上がらないパーツを前に途方に暮れるだけだっちゅうの。

で、今回、たまたま目的と方向性が合致した為に実施した、
"塗装だけ楽しむ、しかもオイシイ部分だけ"
初心者的には大変面白く、ためになりました!

モデラーの諸兄がおっしゃるとおり、
模型作りで面白く、楽しみな工程の代表は、"塗装"の工程なのですよね。
あとの加工は、(ギミックを仕込む、とかは別問題ですが、)あくまで下準備な訳で。

蜜柑のひとは、下準備で力尽きて、あるいは、力尽きた経験に足踏みしてしまい、
ホントに面白い工程をいつまで経っても出来ない。
だから、模型製作=面白くないと学習してしまい、モデラーではなくなってしまう。

今回、何の準備も無しに、
袋から出したランナーにそのままスプレーをぶっかけたわけですが、
一通り塗り終えてみると、もっときれいな作品が作れそうだなぁ、と思えたりして、
じゃどうしよう?こんな感じでどうだろう、
ああ、そういえば、コレ昔、模型誌で見た手順だな!
・・・と。

こうなって初めて、延々と水ペーパー掛ける作業が、楽しくなってくるのでは無いでしょうか?

少なくとも、不肖ワタクシ、
10余年来で最も楽しい模型製作でした

黒玉

ああ、軟質パーツを塗装しなかったのが浮くなぁ、
とかも、ここで初めて実感できる。


ところで、お待ちかねのオチ

冒頭の方でのセリフを覚えておいででしょうか?

"・・・手っ取り早い上に、2千円ちょっとで・・・"

の下りですがね。

まぁ、ここまでの文章をご覧頂いたなら、
"手っ取り早く"の部分は、もはやどうでも良さげ、
というのはお解かり頂けるとかと思いますが、


・・・・・・、

終わってみれば、使った『メタルブラック』の本数、
実に5本

なんだかんだで、塗料だけで3千円は使ってしまっていたり。

・・・塗り重ねたからなぁ。加減知らなかったし、ツヤ出せなかったりで。
パーツよりも敷いている新聞紙がびっしょり濡れているという定番の失敗(?)もあったし。

い、いや!
それでもキット代合わせて5千円ちょっと!
まだまだ、本物の『ジェット』の市価よりゃ全然お得!だぜ!?

・・・・・・、
新宿まで首都高で買いに行った交通費と自分の手間賃と合わせたら、
余裕でコストオーバーとかいうヤツァ!誰だ!

「そういうこと言う人キライです!」

と重ねて言っておこう。


でも市販品より全然イメージどおりで気に入ったから気にしない!
おお、オチ返し!

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://hakkourin.serio.jp/yojo/mt-tb.cgi/281

コメント

まあ、こういう類の行動に正気の沙汰の計算を持ってくるのは、野暮というものですしね。

ちなみに、私が出入りするHPのいくつかで、ジェノザウラー(トミーもしくは、ブキヤのキット)を改造しようとかいう話がほぼ同時期に、記事になっていたりする方に驚きを感じていたりします。

どうもです、やづまです。
もー、何しろ今回は、作ってて楽しかったので、作業工数というか楽しんだ時間なのでOKですよ!

なにげに、今ジェノザウラーが熱い?
時代はジェノザウラーなのでしょうか?
再販ジェノブレイカーの装備を移植してブキヤブレイカー、なんて話もありましたねぇ。