2進世界の暗黒騎士
で、世がオーズに熱狂している中、あえてデジモン。
それも、D-REALとかリブートとかじゃなくて、あえてクロスウォーズ。
いやぁ、出来よかったのですよ、コレ。
正味のところ、微妙なトイという評価だった『クロスフィギュア』シリーズ、
ここで一気に巻き返しを図ったか、という立派な出来。これはやられた。
というわけで、突発レビュー。
デジモンデジモンクロスフィギュアシリーズ07
スカルナイトモン&デッドリーアックスモンセット
アニメ本編は全くチェックできてないので、作品の概要は知らなかったり。
ちゃんとアニメ見てたのは実は『フロンティア』だけだったり。ええー!
というわけで、キャラ的に何か間違った事言ってたらスイマセン、全力で突っ込みOKです。
『スカルナイトモン』
"アンデッド型デジモン"、
必殺技は"スピアニードル"と"ブレストアイウィンク"だ!
胸のドクロ顔と両手のドリル状スピアが特徴の、
低頭身、ちょっとコミカル、でもカッコイイ、正調"面白カッコイイ"デザイン。
パケによると、義兄弟コンビの兄のほう。
・・・兄弟だったのか。主従に違いないと思っていた。
やはりバンダイ、仕上げの美しさはトイメーカーの中でも白眉と言えるだけはある。
メカメカしさは薄いデザインだけど、成型品表面の仕上がりとか、
塗装、特に、胸の金属感あるシルバー塗装が実に美しい。
意図してるのかしてないのか、スピア部分の銀と下地仕上げを変えている感じ。
置いておいて、いい!と思えるバンダイトイの長所全開なところ。
低くて丸い頭部。
暗いバイザーの奥に、点々と目だけが光る、コミカルだけどちょっと不気味感。
"アンデッド"っていうか騎士でいいんじゃない?と思ったけど、
なるほど、"さまようよろい"系キャラなわけね。
胸のドクロの方が本体、みたいなネタなのか・・・?
マントは軟質樹脂。ただ、ふにゃふにゃじゃなく、形をきちんと保っている。
そして、今回感心したのが、可動。
いやー、まぁ意地悪く言っちゃえば、"やっと普通並になったか・・・"なんだけど。
短いながらも、フトモモ開脚、フトモモ前後、ヒザ、ヒザ上ロール、足首前後、と、
一通りの可動スペックを有し、フトモモとヒザにはクリックを内蔵!
フトモモはどうも、金属ばね使用らしく、カキカキンという手ごたえが気持ち良い。
ああ・・・!クリック!(恍惚)
腕部もまぁまぁ動いてクリックが入っているものの、
肩開き角度が狭いのと、ヒジ上ロールが無いのが惜しい。
感心したところその2。
前述のマント、可動軸があって、90度くらいにはためいた状態に固定できる!
コレ!良い!一気にポーズに躍動感が出る。
そして、義兄弟の弟分・・・!
・・・な、なんだコイツ。
メトロイドの敵キャラみたいな、異常生態系に沸いて出た禁忌的生命体って感じ。
何型なわけ?いったい。
タイプ"魔獣型"
うわぁ!丸投げしやがった!(邪笑)
えー、改めて。
『デッドリーアックスモン』
"魔獣型デジモン"、
必殺技は"エアスライサー"と"アクアレジア"だ!
そのボディの形状が名の由来か、斧刃状の硬くて触ると痛そうな胴体に、
異様に発達した前脚、昆虫のように細い後脚、獣のような相貌を備えた、
確かに魔獣としか言いようの無い、異様なフォルム。
ギザギザの口元がむやみに凶暴そう。
口は開閉できるけど、後述のギミック用ジョイント展開の意図の方が強く、
自在な位置では固定できなかったり。
後脚は完全固定、前脚も付け根は45度クリックでこの程度のポーズが限界。
ぶっちゃけると、組みかえパーツ担当。
というわけで、このデッドリーアックスモンの真価は、兄貴分とのコンビネーションにあり!
いざ、デジクロス!
スカルナイトモンの両手のドリル状スピアは、取り外し、肩に取り付け可能。
スピアの下には、手首が。
スカルナイトモンのマントの下に、鉄アレイ状のジョイントパーツ。
余らせない気遣い、やりゃできるんじゃん、バンダイ・・・。
そして、デッドリーアックスモンの背中のブレード状のトゲと組み合わせて・・・、
ナギナタモード!
また、デッドリーアックスの後脚を装備し、
アローモード!
豊富な武装を自在に装備可能!
そして、さらに!
デジクロス!
デッドリーアックスモンの頭部を収納、脚を分解し組み替えて・・・
ビッグアックスモードに!
これは大迫力!
もちろん、余剰は無し。
デッドリーアックスモンのヘッドギア?をスカルナイトモンに装備、
後脚パーツをグリップのように両手で保持。
まるでハイパーメガランチャーのような構え方になる。
多分、腕力で振り回すのではなく、推進力を持ってるんだろうなぁ。
グリップになっている後脚パーツは、軟質樹脂なので、
負荷の掛かる姿勢にしておくと、歪むのでご注意。
死をもたらす巨刃、裂帛せり
騎士っぽいキャラ+4脚型のナニか、ってことで、騎乗できねぇかな、と、
一応乗せられたり、まぁガッチリ固定は出来ないけど、安定はさせられる、
しかし・・・、
まさかこんな事になるとは。
一見、特に違和感無い気がするけど、
背中が斧刃そのものだから、よく見ると実はいわゆる"三角木馬"状態。
まさに拷問
さぁ、ついに真骨頂を見せるときが来た!
デジクロス!
デッドリーアックスモンの前脚を、つま先を折りたたんだスカルナイトモンに接続。
ジョイントは、おなじみムゲンバインジョイントでカチリ、と接合。
スカルナイトモンの兜というか頭を取り外し、右肩に接続。
多分、"元々兜の中は空っぽ"なんだろうな、アンデッドだけに。
頭部を収納し、ビッグアックス状態にしたデッドリーアックスモンボディを左肩に接続。
ところで、ムゲンバインジョイント、ふにゃふにゃゆるゆるだった一時期に比べて、
品質がかなり回復してきている。コレでムゲンバイン再販して欲しいなぁ・・・。
マントの下の武装ラックに、デッドリーアックスモンの後脚アローパーツを接続。
胸部にデッドリーアックスモンのヘッドギアを装備、
そしてスカルナイトモンのドクロを前方に展開し・・・
頭部出現!
2本のスピアをジョイントパーツで接続、ツインスピアにして装備!
融合完了!
デジクロス!
"ダークナイトモン"!
"暗黒騎士型デジモン"、
必殺技は"ツインスピア"と"ショルダーブレード"だ!
う・・・っわあ、ナニコレカッコイイ!
足を伸ばし、頭部を小さく、と、やってる事はわかるけど、
ここまで印象が変わるとは!
かなでちゃんとボリューム比較。
トランスフォーマー的に換算すると、"かなり大きめのデラックスクラス"といったところ。
つまりそこそこ小さい。
ボリューム感のあるフォルムだけど、実はデスクトップにちょいと置いておけるくらい。
実は、コレの定価は4,800円。
他のものとの単純比較は出来ないにしても、シリーズ通してちょいと高め。
ずんぐりむっくり、だったスカルナイトモンが、見事に長身のスタイルに変貌。
肩幅が張って、背筋が厚い、実に力強いプロポーション!
イラストでは、マントも延長されてダイナミックにひるがえっているけど、
この丈でもこれはこれで違和感無い。
印象が強いアイコンだった、スカルナイトモンのドクロの有無でもかなり効果が出ている。
この手の"変身もの"としては、中々に上手い。
なんといっても、やはりこの頭でしょう!実にカッコイイ!
スカルナイトモンの兜を外した首周りがそのままネックガード状になって、
首元を深く覆っており、
肩甲骨の盛り上がったフォルムと相まって、実にたくましく威風堂々とした印象。
黒い目部分が、虚のような眼窩にも、黒い瞳にも見えて、ミステリアス。
そ・し・て、
この状態でもアクション!
感心したところその3!
スカルナイトモンの可動範囲は、ほぼそのまま活かし、
デッドリーアックスモンの脚にも、足首前後方向にクリック入り関節!
ヒザの位置が高すぎ、また、深くは曲げられないけど、
股関節が中々によく動き、フトモモロールと組み合わせると、
結構自由に演技を付けられる。
いやはや、ようやく"普通並み"ですよ、バンダイ殿(邪笑)。
同シリーズの味方側アイテムは、人型合体時にヒザ固定でずいぶんガッカリしたから・・・。
ビッグアックスの巨刃そのままの左肩で突進!みたいな。
武器やパーツが大ぶりで、機能目的がはっきりしているから、
こういうポーズはそれっぽく決まりやすい。
静謐に立たせても良し、ダイナミックに振りかぶっても良し、
シンプルだけどよくまとまったアウトラインの勝利。
やっぱり惜しいのは、上腕ロール軸が無いことかなぁ。
巨大で見栄えのするツインスピアだけど、ヒジ関節だけだと、出来る演技が少ない。
巨大さが災いして、背面側とのパーツ干渉も避けにくいので、なおさら。
贅沢言うと、"突き"の構えに出来る手首構造ならなお良かったなぁ、とか。
この形態で唯一、"謎パーツ"になっちゃってる弟分の後脚パーツ、
別に"アローを腰部にマウント"って事でもいいのかも。
黒き演惨、魔の遭懊
というわけで、久々のデジモントイ。
スカルナイトモン&デッドリーアックスモンだったわけですが。
いや、とても面白い。
2体コンビの一方がプライマリーで、もう一方が様々な武装に変化して装備・合体可能、
というのは、プラモデルなどでは結構あったかもしれないけど、
こういうカッチリしたトイでカッチリと遊べるのは中々新鮮かもしれない。
思わず、何度も組み替えたり合体させたりしてしまう。実に楽しい。
しかも、合体後のデザインの格好良さがこれまたたまらないレベル!
合体前のコミカル調とのギャップがまたそれを良く引き立てていて、
もう、"巧い"、という表現が実に似合う仕上がりになっていますね。
メカニカル志向のトイだと、どうしてもガンダムが忘れられないバンダイだけど、
この系統は作らせると上手い。
ムゲンバインもキーボッツも終了して久しく、
空位だった"遊べるバンダイトイ"の立場に颯爽と現れた、デジクロスフィギュア!
・・・・・シリーズとしての出だしの悪さがちょっとナニだったけど。
"デジモン"ブランドも本格的に復活しだしたし、
この出来を保ってくれるなら、今後にも期待したいところだけど、さて?
バンダイトイでムゲンバイン後継、というと、
『ギアギアン』があるものの、
個人的には、デザイン的にインダストリアルなシャープさがどうしても出せないのを、
コミカル方面に逃げた風にしか見えなくって(毒言)、あまり食指が動かず・・・。
ただ、ヨドバシアキバに飾ってある、でっかい城モードとか見ると、
ちょっぴりグラグラしちゃうなぁ。あれでどのくらい連動アクションするんだろう。
ともあれ、
トイっぽいトイが最近苦手なバンダイが久々に叩きだした高スコア。
シンプルで特徴的なデザインの魅力をしっかりと引き出した、造りの良さと仕上げの美しさ、
そして幅広く遊べるギミックを備え、"カッコ良くてガシガシ遊べるトイ"として、
見事に完成した、"巧い!"と唸らせられる一品です。